レプトスピラ菌
レプトスピラ菌はねずみ等の排泄物に含まれ、水や土壌を経て感染する病気がレプトスピラ症です。
宿主の腎臓に保菌され、尿中に排出(排菌)されます。この尿に汚染された水(淡水など)や土壌、食品などを介して、人が経皮的(あるいは経口的)に感染します。
大雨や洪水のあとは、汚染水がうっ滞したり、ネズミと接近する機会が増えるなどにより、感染の危険性が高くなるため注意が必要です。まれですが、尿などを介したヒトからヒトへの感染の報告もあります。
特に重症なものはワイル病と呼ばれ、感染者の一割程度いるとされます。日本では、国内の衛生状態が悪かった1970年代の前半まで年間50名以上の死亡例が報告されていましたが、
衛生環境や駆除手法、医療の向上などがあって、近年は、患者の発生件数や死亡者の数は激減しています。しかし、沖縄県などでは現在でも散発的に流行することがあります。
レプトスピラ症は人間だけでなく家畜やペットにも感染する人獣共通感染症のひとつです。犬やハムスターが感染すると急激な症状が出て死亡してしまいます。ワクチンが開発されていますが、菌のタイプによっては対応しないこともあるため、完全な予防法には至っていません。
レプトスピラ症に感染しないように予防策として、
レプトスピラ症が発生した地域に立ち入る時は、長靴や手袋を着用してください。
また、その地域で作業や運動、遊び、散歩などをした後は、手洗いとうがいを徹底してください。
飼い犬などのペットは感染源となる湿地に近づけず、健康状態に気を配り、飼育環境の消毒や乾燥に努めてください。
ペットの排泄物を処理した後も必ず手洗いをしてください。
感染の媒体になるネズミなどの野生動物の駆除や居住環境への侵入を防ぐのも効果的です。